
兄弟や親族との共有名義の不動産で、
「話し合いがまとまらない」
「売るか持ち続けるかで揉めている」
「自分の持分だけでも処分したい」と悩む方は少なくありません。
相続した実家や土地は、最初は平等でよさそうに見えても、時間がたつほど意見の違いが大きくなることがあります。
しかも共有名義の不動産は、普通の不動産売却とは少し違います。
不動産全体をどうするかと、自分の共有持分をどうするかは、同じような感じでも実は別の問題です。ここを混同すると、話し合いが進まず、気持ちだけが疲れてしまいます。
- 1. 結論
- 2. 共有名義の不動産が揉めやすい理由
- 2.1. 共有者ごとに考え方が違う
- 2.2. 不動産全体の処分には全員の足並みが必要になりやすい
- 2.3. 放置すると関係がさらに複雑になりやすい
- 3. 共有者と揉めているときは、まず何を分けて考えるべきか
- 3.1. 不動産全体の話なのか、自分の持分の話なのか
- 3.2. 管理の問題なのか、解消の問題なのか
- 4. 共有持分は売れるのか
- 4.1. 全体売却と共有持分の売却は同じではない
- 4.2. ただし、売りやすいとは限らない
- 5. 共有者と話がまとまらないときの選択肢
- 5.1. まずは共有状態を続けるかどうかを考える
- 5.2. 持分だけ処分したいなら早めに整理したほうがよい
- 6. 共有名義の不動産は、誰に相談するべきか
- 6.1. 法律論だけでも、感情論だけでも進みにくい
- 6.2. 共有持分や共有不動産の整理に慣れた不動産会社が向いている
- 7. まとめ
結論
結論からいうと、共有名義の不動産で共有者と揉めているときは、
まず「不動産全体をどうする話なのか」それとも「自分の共有持分をどうする話なのか」
それらを分けて考えることが大切です。
民法上、
共有不動産の管理に関する事項は持分の価格に従って過半数で決めるのが原則です。共有物に変更を加えるには原則として共有者全員の同意が必要です。
また、各共有者はいつでも共有物の分割を請求できます。
法務省の共有制度の見直し資料でも、共有物全体の売却のように共有者が持分を失う処分は、共有者の明確な同意が必要だという考え方が示されています。
つまり、共有者全員で足並みがそろわないなら、無理に全体売却だけを目指す必要はないということです。
共有持分そのものの整理や、共有状態の解消を含めて考えるほうが現実的なこともあります。
共有名義の不動産は、親族間で感情が絡みやすい問題です。話し合いだけで抱え込まず、共有不動産の整理に慣れた不動産会社へ相談したほうが前に進みやすいかもしれません。
共有名義の不動産が揉めやすい理由

共有名義の不動産は、一見すると公平に見えます。ですが実際には、権利が分かれているのに、不動産そのものはひとつしかないため、判断がぶつかるわけです。
共有者ごとに考え方が違う
共有不動産では、住み続けたい人もいれば、売りたい人もいます。
今すぐ現金化したい人もいれば、思い出があるから残したい人もいます。
兄弟や親族であっても、立場や生活環境が違えば考え方が変わるのは自然なことです。
問題は、その違いが時間とともに大きくなりやすいことです。
固定資産税の負担、空き家の管理、修繕の費用、利用している人としていない人の不公平感などが重なると、共有者同士の不満が表に出やすくなります。
不動産全体の処分には全員の足並みが必要になりやすい
共有名義の不動産では、
「みんなで売る」
「建て替える」
「大きく用途を変える」
このような話は、簡単には進みません。共有物全体の売却のような処分や、共有物への変更には、原則として共有者全員の同意が必要だからです。
このため、一人でも反対すると、不動産全体の話は止まりやすくなります。共有者が多いほど、あるいは相続を重ねて関係者が増えるほど、話がまとまりにくくなるのはこのためです。
放置すると関係がさらに複雑になりやすい
共有名義の不動産は、「今は忙しいから」「そのうち話そう」で後回しにされがちです。しかし、放置すると状況はよくなるどころか、むしろ複雑になってしまうかもしれません。
共有者が亡くなってさらに相続が発生したり、連絡が取りにくい人が増えたり、建物が老朽化したりすると、整理の難しさは一段と増します。
法務省も、共有者の所在不明や意思不明が共有不動産の利用や処分を妨げる大きな問題だったことを踏まえて、共有制度の見直しを進めています。
共有者と揉めているときは、まず何を分けて考えるべきか

共有名義の不動産で困っている方ほど、「全部まとめて解決しよう」と考えがちです。ですが、実際には論点を分けたほうが整理しやすいです。
不動産全体の話なのか、自分の持分の話なのか
まず分けたいのは、不動産全体をどうするかという話と、自分の共有持分をどうするかという話です。
法務省の資料では、共有物全体の売却のように共有者全員が持分を失う処分は、
共有者全員の明確な同意が必要とされています。
一方で、共有持分の売買や抵当権設定などの処分をできるのは、その共有者本人に限られるとも整理されています。
さらに民法206条は、所有者が法令の制限内で自由に使用・収益・処分する権利を有すると定めています。
これらを踏まえると、共有不動産全体の処分と、自分の持分の整理は分けて考える必要があります。
この視点を持つだけで、「全員がまとまらないから何もできない」と思い込んでいた状態から抜けやすくなります。
管理の問題なのか、解消の問題なのか
共有物の管理に関する事項は、持分価格の過半数で決するのが原則です。
他方で、変更には原則として全員同意が必要です。
つまり、草刈りや通常の管理のような話と、売却や大きな変更のような話では、必要な合意の重さが違います。
ここを区別しないと、
「修繕の話をしたいだけなのに売却問題まで感情的になる」
「管理費の負担の話が、いつの間にか相続全体の不満に広がる」
といったことが起こりやすくなります。
共有持分は売れるのか

「共有持分は売れるのか」という疑問は非常に多いです。結論としては、共有不動産全体の売却とは別に、共有持分そのものの整理や売却を検討する余地はあります。
全体売却と共有持分の売却は同じではない
前述しましたが、共有不動産全体を売るには共有者全員の意思がそろうことが重要です。
ですが、共有持分は「不動産全体」ではなく、「その人が持っている権利の一部」です。
法務省の資料でも、共有持分の売買や抵当権設定などの処分は、その共有者本人に限られるとしっかりと整理されています。
そのため、共有持分については、不動産全体の合意が取れないときでも、整理の対象として考えられるわけです。
ただし、売りやすいとは限らない
ここで注意したいのは、
「売れる可能性がある」ことと、
「普通の不動産のように売りやすい」ことは別だという点です。
共有持分だけを買う側は、その後も他の共有者との関係を引き継ぐことになるため、一般の買主にはわかりにくい不動産です。
そのため、共有持分の処分を考えるときは、一般的な仲介だけでなく、共有不動産や共有持分の整理に慣れた会社に相談するほうが現実的です。
共有者と話がまとまらないときの選択肢

共有者と揉めていると、「もう何も進まない」と感じてしまいがちです。ですが、実際にはいくつかの整理方法があります。
まずは共有状態を続けるかどうかを考える
民法256条では、各共有者はいつでも共有物の分割を請求できるとされています。
つまり法律は
「共有のまま固定され続けること」を前提にしていません。
むしろ、共有状態を解消したいという意思を尊重する仕組みがあります。
このため、共有者と話がまとまらないときは、「どうやって共有を続けるか」だけでなく、「共有を解消したほうがよいのか」を考えることも重要です。
持分だけ処分したいなら早めに整理したほうがよい
共有名義の悩みは、時間がたつほど整理しにくくなることです。親族との関係がこじれたり、相続が重なったりすると、持分の問題がさらに複雑になります。
そのため、「共有者と話がまとまらないので、自分の持分だけでも処分したい」と感じているなら、その時点で一度相談したほうがよいです。
抱えたまま長引かせるほど、解決コストも、なにより心理的負担も大きくなりやすいからです。
共有名義の不動産は、誰に相談するべきか

共有不動産の悩みは、単なる査定の話ではありません。
権利関係、親族関係、将来の整理まで含めて考える必要があります。
法律論だけでも、感情論だけでも進みにくい
共有名義の不動産について、法律のルールを知ることは大切です。
ただし、実際にはそれだけで解決しません。親族間では、法律上の正しさだけでなく、感情や過去の経緯も強く影響するからです。
だからこそ、共有不動産の整理では、法律と実務の両方を踏まえて、現実的に進められる方法を考える必要があります。
共有持分や共有不動産の整理に慣れた不動産会社が向いている
共有名義の不動産は、「全体売却が無理なら終わり」ではありません。
共有持分の処分、他の共有者との調整、今後の整理方針など、考えるべきことは複数あります。
そのため、相談先としては、普通の不動産売買だけでなく、共有不動産や共有持分の問題に慣れた不動産会社のほうが相性が良いと思います。
事情を整理しながら、今の状況でどの方法が現実的かを一緒に考えやすいからです。
まとめ
共有名義の不動産で困っているときは、
「共有者と揉めているから何もできない」
と決めつけないことが大事だということをご理解いただけたと思います。
共有不動産全体の売却や変更には原則として全員の同意が必要ですが、管理のルールや共有持分の考え方は別です。
また、各共有者はいつでも共有物の分割を請求できます。
共有制度そのものも、共有者の所在不明や意思不明で不動産が動かなくなる問題を前提に見直されてきました。
今回のポイントを整理します。
- 共有名義の不動産は、時間がたつほど揉めやすくなりやすい
- 不動産全体の話と、自分の共有持分の話は分けて考えるべき
- 共有不動産全体の売却は原則として全員同意が必要
- 共有持分は別の整理対象として考えられる
- 共有状態を続けるだけでなく、解消や処分も選択肢に入る
- 共有持分や共有名義の整理は、慣れた不動産会社に相談したほうが進めやすい
兄弟や親族との共有名義で悩んでいるなら、感情が深くなる前に一度整理してみるのが大切です。
特に「共有持分だけでも処分したい」「共有者ともう話がまとまらない」と感じているなら、トール不動産のような共有不動産の整理や売却相談に慣れた不動産会社へ相談することが、現実的な出口になると思います。
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