みなさんこんにちは。
堺で家を売る仕事をしている、 TOR不動産（トール不動産）代表の中村竜大です。
先日、以前にお世話になったお客様より連絡をいただきました。要件は「自宅の相続登記をする為に取った見積もり金額が適正かどうか見てほしい」というものです。
お客様は相続登記（見積書中の①と②）の他に、預金と株（銀行と証券会社計4箇所）の名義変更（同③）、及び相続税の申告（同④）も依頼されたとのこと。
その見積書です。お客様ご自身がネットで見つけた司法書士事務所（某所の有名ビルに入っていて信用できる、と）が作成したもので、すべて合わせて約１２２万円です。
見積もりの内訳をまとめると以下の通りです（と思われます）。
【相続登記】 ①の報酬10万円と②登録免許税等の実費約2.6万円、計12.6万円
【預金と株の名義変更】 ③の報酬 約74.2万円
【相続税の申告】 ④の報酬 35万円
①②の相続登記はこんなものだと思います。ここは私も日々関わっているところなのでよく分かります。細かく言うと取り寄せる戸籍の通数等にもよりますが、報酬10万円＋実費なら決して高くはありません。
次に、ひとつ飛ばして④の【税務申告】について。これもそうおかしくない金額のようです。知り合いの税理士さんにお聞きしたところ『相続財産の0.5～1％』が目安とのことでした。但し、税務申告は税理士のみに認められる領域（本人が自分でやるのはOK）で、司法書士等が代行することは法律上できません。今回はおそらく税理士さん等に別途依頼するものと思われます（見積書にもそれらしき記載があります）。
私が気になるのは③【預金と株の名義変更】の74万円です。
ある事務所に聞いたところ『金融機関1箇所につき7万円』と言われました。それでいくと今回は4箇所なので28万円です。
この中には、相続人を確定するための書類（戸籍や遺産分割協議書など）を揃える手間も含まれますが、これは相続登記の必要書類と重なりますので、今回は別途作業する必要はありません。書類は揃っているので、あとは銀行等へ出向き手続きするだけです。たしかに行く手間（最低でも2回は必要）や待ち時間、個人情報にやたら煩い金融機関とのやり取りは面倒ではありますが、それにしても74万円は高いように感じます。
たしかにこの手の手続きに関する代行料には特に決まったものはありませんので、価格は自由に設定可能です。もしかしたら見積書では分からない特別なサービスがあるのかもしれませんが、それにしても．．．です。
以上をお客様へ報告したところ、結局その事務所は断られました。私の付き合いの司法書士と税理士さんを紹介させていただき、それぞれに相続登記と税務申告のみを依頼。名義変更はご自身でやられることになり、結果として費用は大幅に抑えることができました。
諸々の手続きを、専門家に任せることを否定するつもりは全くありません。私もよくお願いします。ただ、費用対効果はどうか、世間相場と比べて不当に高くないか、そのあたりはよく見る必要がある、そのように思います。
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